「幸せになるにはまず自分を知ること」マッチングアプリ『Tinder』が現役学生と考える“デーティングウェルネス”

世界最大級のマッチングアプリ「Tinder」を運営する Tinder Japanが、現役学生と“デーティングウェルネス”について考える特別イベント「Tinder Consent Cafe ～Let's Talk Dating Wellness～」を6月7日に東京・渋谷PARCOにて開催しました。Tinderは、「デートをする上での正しい知識を持ち、自らの選択によって判断し、幸福で、心身ともに健全な状態のこと」を“デーティングウェルネス”と呼んでいます。有識者によるトークセッションや、参加者によるワークショップを通して、安心・安全なデートについて考えるきっかけとなったイベントの様子をレポートします。

オンラインの出会いから関係を築くための新しいコミュニケーション

第1部「デートをする前に知っておくべき正しい知識」（トークセッション）、ワークショップ、第2部「デーティングウェルネスについて考える」（トークセッション）という構成で進行した本イベント。第1部では、Tinder Japan カントリーマネージャーのチョウ・キョさん、助産師で性教育YouTuberのシオリーヌ(大貫 詩織)さん、株式会社TENGAヘルスケアの福田眞央さん、株式会社ネクイノの中村葵さんの4人が登壇し、それぞれの視点から「デートをする前に知っておくべき正しい知識」についてトークセッションを行いました。

Tinder Japan カントリーマネージャーのチョウ・キョさんは、本イベントの開催意図について「現在では、結婚した夫婦のうち、5組に1組の出会ったきっかけがマッチングアプリというデータもあるほど、マッチングアプリは身近な存在となってきています。その一方で、日本では恋愛やデート、性の話はタブー視され、正しい知識をもたないままマッチングアプリを使ったり、デートをしているメンバーも多くいます。デートにおいて重要なのは、互いに正しい知識を持ち、自らの選択によって判断し、心身ともに幸福で健全な状態でいることです。Tinderでは、これを『デーティングウェルネス』と呼び、今後この重要性が高まっていくと考えています」と語りました。

続いて、シオリーヌさんは「『デーティングウェルネス』の印象」について「マッチングアプリを使うことが一般的になった中で、学校や職場などバックグラウンドを知った上で恋愛や性的な関係を築くだけではなく、オンライン上で出会った人と関係性を築くという新しいコミュニケーションを身に着ける必要があると考えています。今後、『デーティングウェルネス』は更に重要になっていくと思うので、スキルの身に着け方について伝える努力をしていきたいです」と話しました。

また、チョウ・キョさんはマッチングアプリを安全に使用するためにTinderが行っている取り組みとして、恋愛、デート、健康、ウェルネスに関するトピックを総合的にカバーする「Tinder Safe Dating Guide 日本版」を発表。オンラインでの出会いからオフラインで出会う時に気を付けるポイント、Tinder上で活用できる安全対策などを紹介しており、今後もアップデートを予定しているそうです。

性のモヤモヤにこたえるwebメディア「セイシル」を運営するTENGAヘルスケアの福田さんは、「デートDV」について紹介。性的同意の重要性や、「デートDVチェッカー」を使ったデートDVの判断基準について解説しました。また、医師でもあるネクイノの中村葵さんは、性感染症について事例を交えながら説明し、病院に行く時間がない人や、性感染症で病院に行くのが恥ずかしいと感じる人でも気軽に使うことができる「スマルナ性感染症検査キット」を紹介しました。

第1部の最後には、事前に参加者から募ったアンケートを紹介。「巷では付き合う前にSEXしちゃいけない! とよく聞くのでしないようにしているけど、本音では相性を確かめてから付き合いたい…どうすればいいでしょうか? 」という問いについて、TENGAヘルスケアの福田さんが「付き合う・付き合わないの順番や年齢も関係ないですし、付き合ってからも、いつ・誰とどのように性行為するかは自分次第。自分自身で決めたことに対して、後悔しないように判断できるかどうかが大切だと思います。判断をするために適切な知識を身に着けてほしいです」と回答するなど、ここでしか聞けないようなリアルな悩みを基にQ＆Aが展開されました。

続いて行われたワークショップでは、社会実装プロジェクト「#しかたなくない」のメンバーが企画したオリジナルプログラム「LOVE GROWS（ラブ・グローズ）」を実施。第1部でも話題にあがった「デートDV」や、携帯電話・スマートフォンなどを使って性的なメッセージのやりとりを行う「セクスティング」についてディスカッションが行われ、実際にありそうなシチュエーションを通して、どんな行動をとればいいのかが話し合われました。

恋愛もマッチングアプリも自分を知ることが一番大切

第2部では、タレント・映画コメンテーターのLiLiCoさんと、第1部に引き続きシオリーヌさんが登壇。「デーティングウェルネスについて考える」というテーマでトークセッションが行われました。

LiLiCoさんは「恋愛は、自分のことを知ることが一番大切。よく自分を愛せないと人を愛せないと言いますが、そういう意味ではありません。自分を知るということが、自分のことを愛する、好きになることよりもとても大切だと思います」と、まずは自分を知った上で相手を受け入れていくことの大切さについて語りました。

自分を知るのはマッチングアプリでも大切なようで、シオリーヌさんは「自分がどんな関係性やパートナーシップを求めているのか、そのためにどういう人と出会いたいのかを知ることが大切。私はよく友人にマッチングアプリのプロフィール添削を頼まれるのですが、その時に『自分が求めているパートナーと出会うためにベストな内容になっているか』を見てほしいと言われます。自分がベストだと思う相手を見つけるためには、まずは自分のことを理解して言語化することが欠かせないと思います」と話しました。

続いてLiLiCoさんも「（出身地の）スウェーデンでは色んな雑誌で特集が組まれるくらいTinderが大人気。その中でマッチングアプリの失敗例としてよく書かれているのが『自分が一番イケてる写真を載せてしまうこと』。実はそういった写真よりもジョギングやサッカーをしているところなど、自分自身を見せられるような写真の方がいいんです。それも自分が自分を知らないと、わからないことですよね」と、マッチングアプリでの自分の見せ方について言及しました。

最後に、今回のイベント参加者に対してメッセージを求められたLiLiCoさんは「繰り返しになりますが、大切なのは自分をよく知ること。『なんかいいことないかな? いい男飛んでこないかな? 』と思ったことある人、いますよね? 私もあります。でも、ハッピーって実は自分の中にあるんですよ。まずはそれを探し出してください。これが楽しいと思うかどうか、いい男と思うかどうかの判断基準も自分の中にあります。それを見つけ出すことができると毎日がハッピーになりますよ」とエールを送りました。

シオリーヌさんも「社会の中に溢れる『こうあるべき』という基準に合わせて考えてしまうことや、悩んでしまうこともたくさんあると思います。ただ、今日のお話を総括して思うのは『自分の幸せを決めるのは自分』だということ。自分が心地よい毎日を送れているのは素晴らしいことで、人から見て変だと言われてしまった時に『私の幸せを第三者がジャッジする権利なんてない』と思える気持ちを大切にしてほしいです。自分の体や人生、幸せのことを自分で決めるんだということを今日は覚えて帰ってもらえたら」と締めくくり、会場は温かい拍手に包まれました。