ChatGPTはマッチングアプリのプロフィールに有効か？プロフィール添削のプロが添削してみた

毎日そのワードを見聞きするほど、様々な場面で語られるようになってきたChatGPT。人間のような会話ができたり、自然な文章を生成できたりする機能は、マッチングアプリなどのプロフィール添削などにも展開されそうだ。
今回は、マッチングアプリ業界でいち早くChatGPTを活用したタップル社の「プロフィールAI添削」を実際に試してみた。

「プロフィールAI添削」とはどんなサービスか

マッチングアプリのプロフィールを、第三者の誰かにアドバイスしてもらいたい… そう思ったことはないだろうか。マッチングアプリで「いいね」をもらい、かつ理想の女性とマッチングするためには、プロフィールの写真と文章が何よりも重要。

そんなユーザーのニーズに応えるように誕生したのが「プロフィールAI添削」だ。開発をしたのは、国内最大規模のマッチングアプリ「タップル」を運営する株式会社サイバーエージェントのグループ会社、株式会社タップルである。ChatGPTを活用したプロフィール文添削機能はマッチングアプリ業界初の取り組みだ。

「プロフィールAI添削」の最大の特徴は、アプリ上でプロフィールを作成するとChatGPTが添削をして、より良いプロフィール文にするためのアドバイスをくれるという機能。しかもこの機能を無料で利用できる。

ChatGPTによる添削のため、「人に見てもらうのは恥ずかしい」「すぐに登録したいから急ぎで添削をしてほしい」などのニーズにも応える仕様だ。

※初期リリースではAndroid版のみ（順次展開予定）

マッチングのために最重要なプロフィールを簡単に書くためのサービス

マッチングアプリは数多くのユーザーであふれている。そんな中でライバルである他のユーザーに埋もれず、マッチングするために重要なのはプロフィールだ。

「タップル」内の調査によると、プロフィール文を書くことでマッチング率が30.5％上がるという結果が出ている。つまり、マッチングするためにはまずはプロフィール文を書くこと、そしてプロフィール文をよりよい質にすることが大切なのだ。

しかし一方で、恋活・婚活中の男性からは「自分のことを書くのが苦手」「プロフィールが書けずアプリに登録ができない」という声も多い。「プロフィールAI添削」はそんなハードルを低くするサービスといえそうだ。

「プロフィールAI添削」サービスの特徴

「プロフィールAI添削」では、「読みやすくすること」「魅力的なプロフィール文にすること」という2つのポイントからChatGPTが添削をしてくれる。

仕様は非常にシンプルで、アプリに自分のプロフィール文を入力すると、ChatGPTがプロフィール文を添削しアドバイスをしてくれるのだ。

ただし、本サービスではChatGPTが文章を生成することはないので、最終的にはアドバイスをもとに自分で文章を作成することが必要だ。利用回数に制限はないため、アドバイスを元にプロフィール文を編集し、またChatGPTに添削してもらう… というブラッシュアップの方法もある。

アプリなので時間制約もなく、いつでも・どこでも・すぐに添削サービスを受けられるので、仕事や婚活で忙しい方にも便利だ。

「プロフィールAI添削」サービスを使ってみた

そこで今回、NOVIO編集部が3人のプロフィールをもとに、「プロフィールAI添削」を使って添削結果を検証してみた。

Aさん（30代／メーカー勤務）

■Before

■After

文章を書くのが苦手で、自分自身のプロフィールもなかなか思いつかなかったというAさん。箇条書きのプロフィールはわかりやすいものの、ぶっきらぼうでやる気なさそうな印象だ。

添削後は語尾に絵文字や「！」を追加することで、全体的にカジュアルで若々しい印象になった。絵文字を選ぶのが苦手な男性でも、アドバイスをしてくれるのはありがたい。

また、箇条書きから自然な文章に変換するというアドバイスもされている。
「東京在住」→「現在は東京で生活しています」
「メーカー勤務」→「メーカーの仕事をしています」
「趣味：映画」→「趣味は、映画鑑賞です」
など、文章にすることでまるで会話をしているような感覚になり、箇条書きのときよりも親しみやすい印象になったことがわかる。

文章が苦手、文章を作る時間がないという人でも、箇条書きのプロフィール文を入力すれば自然な文章になるようアドバイスをくれるようだ。
※年齢はアプリの登録年齢（今回は24歳）で変換されている

Bさん（20代／メーカー勤務）

■Before

■After

文章を書くのが苦手で、真面目過ぎるプロフィール文になっていたBさん。誠実な印象はあるものの、マッチングアプリでは堅すぎて近づきにくい印象だ。

添削後には、年齢や性別が追加されている。「24歳・男性」のように文頭に年齢や性別を入れることで、「私と近いな」と親近感を持ってもらえるだろう。

また、一度に多くのユーザーのプロフィール文を読むマッチングアプリでは、「読みやすいこと」が重要だ。ダラダラと長文を繋げていたBさんのプロフィール文だが、ほどよく改行が入り、話題ごとに段落分けするようにアドバイスをされた。普段文章を書かない人は、意外とどこで改行して段落分けしたら良いのかわからないことが多いため、ChatGPTでアドバイスをくれるのは嬉しい。

また、「アウトドア好き」「ソロキャンプ」というキーワードから、「自然の中でのひとり時間は心をリフレッシュする絶好の機会です」という「どう感じているか」が追加されている。「どう感じるか」という感情の部分を入れることで、人柄が想像できるようになった。

Aさん同様、絵文字も追加されている。堅苦しい印象だったBさんのプロフィール文だが、改行や感情の追加、絵文字の追加などにより全体的にやわらかく、親しみやすい印象になった。

Cさん（30代／SE）

■Before

■After

マッチングアプリ初心者で、プロフィール文に何を書いたら良いのかわからなかったCさん。シンプルでわかりやすいものの、どこか冷たく親しみやすさを感じない文章だ。

添削後はすべて「。」で終わっていた語尾に絵文字が追加された。また、話題ごとに1行空けることで読みやすく、スッキリとした印象になった。少ない文章であっても、改行や段落を入れることで余白ができて読みやすくなる。

また、「土日は個人参加のフットサルや、友人と飲み会をしています。」という「何をやっているのか」という内容から、「土日は個人参加のフットサルに参加したり、友人と飲み会を楽しんでいます」と「どう感じているか」が追加された。気持ちを入れることで人柄が読み取れるようになり、添削前よりも「友達が多くて明るい人」という印象になった。

「プロフィールAI添削」サービス結果を恋愛コーチに添削してもらったら

今回は、マッチングアプリのプロフィール添削のプロとして活躍するおとうふさんに、Ｃさんのプロフィール添削結果を見てもらった。

■Cさん（24歳　男性　SE）

「まず、見やすく改行されているのがいいですね。特に年齢が上の男性は長い文章を繋げてしまったり、詰めて書いてしまったりすることが多いので、ほどよく改行されスペースがあるのは女性から好印象です。

絵文字が追加されているのもいいですね。特にタップルは20～30代のユーザーが多いので、『。』で終わるぶっきらぼうな文章よりも、絵文字がある文章のほうが好まれます。

私が添削をするなら、もう少しその人の人柄について追加します。プロフィールで知りたいのは、『その人が何をしているのか』よりも、『人柄やその人と付き合ったらどうなのか』です。そのため、まず自分の性格について付け加えたいですね。

例えば、Cさんのように『好きな食べ物はラーメン、寿司、ハンバーガー』と書く男性は結構多いのですが、どれも『男飯』で女性からすると取っつきにくいと感じることも。ひと工夫して、『最近はおいしいグルメバーガー探しにハマっています』など、会話のきっかけを入れると良いでしょう。

また、その人と一緒に過ごしたときのイメージを入れることも大切。例えば『仲良くなったらディズニーやUSJに一緒に行けたらいいなと思います！』『出先ではたくさん写真を撮るタイプなので、お付き合いをしたら一緒に写真を撮れると嬉しいです』など、この人と過ごしたらどんな時間が過ごせるのかなとイメージできる文章を入れたいですね。

ちなみに、趣味は本当に自分が好きなことを書くのもいいですが、女性と一緒にできる趣味の方が好印象です。Cさんの趣味サッカーは、女性と一緒になかなか楽しめませんよね。スポーツが苦手な女性も多いので。他にもゲームやバイク、パソコンなど独りで完結してしまう趣味よりも、カフェ巡りやグルメ、旅行など『一緒にできるもの』を挙げた方が好印象ですよ。男性だって、『趣味はアイドルの追っかけ！ジャニーズが好きです』と言われたら困惑してしまいますよね。

少しハードルが高いかもしれませんが、堅苦しくならないように『その人だけのユーモア』を入れるとさらに良くなります。例えば、『お酒好き』と書くのではなく『好きな四字熟語は飲み放題です！』『仕事終わりのビールのために生きています！』みたいな、クスっと笑える一文があると親しみやすくなります。特にマッチングアプリでは堅苦しい文章は好まれないので、カジュアルで親しみやすい文章を心がけたいですね。」

恋愛コーチが語る「プロフィールAI添削」が向いているのは、こんな人！

次に、恋愛コーチのおとうふさんに、タップル社の「プロフィールAI添削」が向いている人の特徴を挙げてもらった。

1. プロフィールが書けずマッチングアプリの登録に踏み出せない人

「マッチングアプリは登録時に基本情報とプロフィール文を入力しますが、このプロフィール文がハードルになっている人が多くいます。マッチングアプリで恋人を探すなら、プロフィール文を書かなきゃ始まらない、スタートにも立てないんですよね。

ChatGPTではどんな文章でもある程度自然な文章になるようアドバイスをくれるので、プロフィール文を書けない、書く時間がない方にも向いていると思います。」

2. 文章を書くのが苦手な人

「女性よりも男性の方が文章を書くのが苦手な方が多いです。特に、LINEなど短い文を作るのに慣れている若い方よりも、メールや手紙に慣れている年代の方は、ずらーっと長い文章を続けて書いてしまう傾向があります。『どこに改行を入れたらいいかわからない』という方は、ChatGPTが適切な場所を教えてくれるのでいいですね。

また、『東京在住』という言い方を『現在は東京で生活しています』にするアドバイスをくれたりと、男性にありがちなぶっきらぼうな文章を親しみやすい印象に変えてくれるのもメリットだと思います。」

3. 文章が堅苦しくなってしまう人

「LINEなどを使う機会があまりなく、文章がつい堅苦しくなってしまう方もChatGPTは有効だと思います。

今回の添削結果でも語尾に絵文字をつけるアドバイスがありましたが、特にタップルのような若いユーザーが多いマッチングアプリでは、絵文字があった方が親しみやすく感じてもらえます。絵文字も普段使わない方が無理に使うと、変なものを選んでしまうことがあるので、アドバイスをもらえるのはいいですね。

ChatGPT自体は他のサービスでも展開されていますが、アプリのユーザー特性に合わせた文章にしてくれるのはメリットだと思います。」

恋愛コーチが語る「プロフィールAI添削」のメリットや今後の期待

「まずは、無料で添削してもらえることがメリットだと思います。そして、文章を書くのが苦手でアプリに登録できず、恋活・婚活のスタートを切れていない方にとっては、ある程度自然な文章になるようアドバイスを無料でしてもらえるのは画期的なサービスです。

一方、全くプロフィール文が思い浮かばない方には人の手が必要だと思います。例えば、私に相談に来られる方で、「趣味は寝ることくらいかな…」と自分自身を分析できない方がいます。そのような方には「コロナ禍で変わった過ごし方はないですか？」など、色んな角度から質問をして、プロフィール文を一緒に作っています。ChatGPTでも、登録している基本情報やタグ、質問に対する答えからプロフィールを生成してくれる… なんて機能ができたらおもしろいですよね。

また、ネットに出回っている定型文を元にプロフィール文を作成している方も多いので、どうしてもみんな似たり寄ったりになってしまいがち。その人ならではのオリジナリティが出るアドバイスをしてくれるChatGPT、なんていうのもできたらおもしろそうです。

今後、AIが良いパターンを学習していったら、もっと改良されていくのではないでしょうか。とても楽しみです！」

まとめ

「プロフィールAI添削」は、プロフィールを作成するとChatGPTが添削をして、マッチングアプリ向けに読みやすく・より魅力的なプロフィール文にするためのアドバイスをくれる画期的なサービスだ。

特に、プロフィールが書けずマッチングアプリの登録に踏み出せない人や、文章を書くのが苦手な人、文章が堅苦しくなってしまう人には向いていると考えられる。

一方、あくまで入力した文章の添削に留まり自己分析のツールではない点や、オリジナリティはない点など、まだまだ今後改良されそうな要素も多い。

サービスは無料で、時間を問わず利用できるので、プロフィール文がうまく書けず恋活・婚活のスタートを切れていない人は、まず使ってみるのもよさそうだ。

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